DOWNSPADE software

ENGLISH

Sensor Watch Proを買いました

概要
casioのF-91wのmodであるSensorWatchProのレビューです。
レポート日

casio A158w

はじめに

腕時計というものが私は好きで、スマホが登場してからもウェアラブルガジェットとして長く使っていました。基本的には機械式が好きですが、クオーツも悪くない、クオーツショックを引き起こした日本の時計はやっぱりクオーツがいいんだ、とすら思っています。

  1. 驚異のコスパと耐久性

    2000円程度の安いクオーツであるために使われ方が非常に雑、なのに壊れないという、大切に使われて壊れない時計とは全く異なります。土の中に20年間も埋まっていたのに動いていた、という伝説もあります。

  2. 著名人の使用と映画での着用

    バラク・オバマ(元大統領)、ライアン・レイノルズ(俳優)、チャールズ・フランシス・フィーニー(富豪)、 ジャレッド・レト(俳優)、ティモシー・シャラメ(俳優)、ライアン・ゴズリング(俳優)※、 イドリス・アクナ・エルバ(俳優)※、ロベルト・レヴァンドフスキ※(サッカー選手)

    ※は姉妹機であるA158W

  3. ダークな逸話

    その信頼性の高さと安さから、テロリストの時限爆弾の部品として利用され、それに目をつけたFBIや米軍がF-91wを身につけているというだけで「爆弾製造の訓練を受けたサイン」の一つとしていたそうです。

私はF-91wは買わないようにしていました。なぜなら3つボタンということや(私はデジタル腕時計は4つボタン派なんです)B640をすでに持っていたからなんです。でもAIと話していてある時に、F-91wmodの話を知ります。

MOD文化

腕時計にはMOD文化というのがあります。時計にもとから付いている文字盤(ダイヤル)や針、ベゼル、ガラス(風防)を好きなものに変えてしまうという遊びです。有名なのは SEIKO mod ですね。SEIKO の SKX007 の mod が特に有名で本当にいろいろなバリエーションがありました。しかし、SEIKO が SKX007 を売るのを止めてしまったのでこの文化は廃れつつあります。代わりに mod にあったような時計を作って売っているようですが。ROLEX の mod としてはクロムハーツのものが有名ですね。CASIO の mod 文化は G-Shock のものが有名ですが、F-91w のものもあります。ケースを金属に変えるような mod から、基板を交換するもの等様々なものがあります。

私が選んだのはその F-91w の基板 mod である Sensor Watch でした。実は Ollee Watch という基板 mod もあるのですが、Ollee Watch はオープンソースでないので遊べる範囲が狭くなってしまう、Bluetooth がついていて技適マークの取得が面倒、という理由で Sensor Watch Pro を購入することにしました。

ドナーとして A158w を選んだ理由

Sensor Watch Pro は QW-593 というムーブメントと互換ということになっていますが、それが搭載されていて動作が確認されているモデルはF-84w、F-91w、A158w、A159w、A163w、A164w、A171w、W-31、W-78ということになります。また、Sensor Watch Pro のサイトには偽物が多く出回っている、ということも書かれています。

casio A158w 裏面

※ここに 593 の数字があるものが QW-593 搭載であることの証

私は Amazon の Casio サイトで A158w のシルバーで通常ダイヤルのものを選ぶことにしました。F-91w がやはりアイコニックだとは思うのですが、ウレタンベルトの時計を使っていて数年で切れたことがあり、切れれば時計ごと落として失くすリスクがあります。今回はムーブメント自体が結構な出費になっているので、そのリスクは避けたかったのです。A158w は手に入りやすいですし、F-91w にもっとも近しいモデルであると思っています。本物か偽物かの判断についてはセラーが Amazon であることを確認して購入し、偽物なら返品する、ということにしました。ケースを開けてみるわけですからね。

A158W も本体はプラスチックで質感はチープなのですがそれも含めて味ということかなと思っています。どうしても高質感にしたかったら、中華通販サイトから F-91w の金属ケース mod を買うという手もあることを付記しておきます。このケース mod も色々トラブルはあるみたいですが。

Sensor Watch Pro の紹介

  1. スペック

    CPU: ARM Cortex M0+

    メモリ:256KBフラッシュメモリ+32KBRAM

    センサー:温度、光度、加速度(オプション$12)

    ブザー:増幅型ピエゾブザー

    ディスプレイ(オプション$16):92セグメント液晶ディスプレイ(オリジナル72セグメントと置き換え)

    バッテリー寿命:1~2年

    価格:$59

  2. オープンソース

    オープンソースで自由にカスタマイズ可能

となっています。ワイヤレスで通信するのが事実上光度センサーしかない、というのが割り切りがあっていいですね。とにかくオープンソースであるということが決め手でした。

組み立てに関して

※画像はすでに Sensor Watch Pro の基板が入った状態になっています。本当は緑色の基板がみえるはずです。

  1. 裏蓋を外す

    4本のネジで止まっています。

  2. シーリング(ガスケット)を外す

    裏表があるので注意。板状の突起があるほうがムーブメント側。

    白いシートは多分絶縁部品で剥がさないほうがいいと思われる。

    ガスケットを外す前

  3. ムーブメントを取り出す

    ボタン操作で動く金属の板がケースと干渉しやすいので注意。白いプラスチックのパーツごと取り出す。

    ムーブメントを取り外す前

  4. 金属部品を外す

    基板と電池を圧着している金属部品を取り外す。4つ爪がついているので、マイナスドライバー等で外す。この時に、金属部品とプラスチックを挟み込むようにすると取れやすい。この時点で液晶画面が消える。

    金属部品を外すために作業する箇所

    金属部品が外されたムーブメントと金属部品、およびケース

  5. ボタン電池を基板から剥がす

    両面テープでついているのでゆっくり剥がす。両面テープを電池側につけて再利用する。

    両面テープのついたボタン電池

  6. バッテリー端子を外す

    奇妙な形のバッテリー用の端子が QW-593 についているので、これを購入した基板に移植する。裏からピンセットでツメを挟んで押し出すと安全。

    基板のバッテリー端子の位置

  7. 基板に加速度センサーをつける(オプショナル)

    加速度センサーをつける。まず矢印で囲った部分に絶縁シールを貼ります。このシールを台紙から剥がすのがとても難しい。

    絶縁シールの基板上での位置と加速度センサー

    矢印に囲われた板状のロックを下方向に動かす。次に上から加速度センサーを差し込む。奥まで差し込まないとケースに収まらないので注意。加速度センサーは7みたいな形にみえる方向で端子を下側にして奥まで差し込む。その後ロックを上げてロックする。

    基板の外部インターフェイスコネクター

  8. 液晶画面を交換する(オプショナル)

    基板を外すと細い板状の黒い液晶用の伝導ゴムが外れることがある。なくさないように。

    プラスチック部品についた伝導ゴムの説明

    液晶画面は白い紙(反射板)と液晶画面の2つでプラスチックのパーツにはまっている。この矢印のパーツで引っかかっているので全体を少し曲げて液晶画面を取り外す。プラスチックのパーツを壊さないように注意。

    プラスチック部品に液晶画面がついている機構の説明

  9. 組み立て直す

    金属のツメがハマらない、ハメめると液晶が外れてしまう(大変危険)場合は加速度センサーか電池の両面テープの位置が問題である場合が多いので確認する。

    この矢印の部分が裏蓋に接していないと音が出ません。

    スピーカーを駆動するための端子の場所

    このフタの丸い薄い部品がスピーカーになっている。

    スピーカーの場所

この動画が参考になります。

組み立てに関してはとても簡単です。以前ははんだ付けが必要だったようですが、新しい基板には最初からブザーへの電極がはんだ付けされており、すべてはめ込むだけ、となっています。一つだけ注意点があり、そのブザーへの電極があまり曲がっていなくてブザーと接触しないことがあります。音が出ないときにはそこをチェックしてみてください。

また、この分解組み立ての工程はファームウェアを書き換えるたびに行うことになります。

ハマったこと

  1. USBはどこにある?

    マイクロUSB基板の欠けのある部分です。ここの電極に接するようにマイクロUSBコネクターを差し込みます。

    USB端子の場所

  2. USBに挿すと何が起きる?

    USBに挿した時点で実は起動しています。見えないだけです。

  3. どうやるとドライブとして認識する?

    ブザーに接触する端子の近くにあるボタンをかなり早くダブルクリックすると1分だけドライブとして認識します。ファームウエアをコピーすると勝手に切断して時計が再起動します。

    ボタンの場所

使ってみて

特別感がある、楽しい時計だと思います。出来ることを増やせる可能性が無限にあると感じるだけでワクワクしますね。次に何を作ろうか?幸い今はAIがあり、プログラムを作るのは環境構築含めてとても楽になっています。

マイナス点ではやはりネットに繋がらない、電池の持ちを良くするために無理はできない、という制限が大きいですね。FPUを持っていないというのもポイントかもしれません。あと、CustomLCD は表現力が高くて素晴らしいのですが、少し線が細いのがマイナスポイントかもしれません。

でも、こんな小さな腕時計を自分の好みにカスタマイズできるというのは夢のようなガジェットだと思います。

GitHub

以下の watch face を GitHub で公開しています。

  1. moon_phase_ascii_face

  2. wadokei_face

  3. kyureki_face

  4. counter_term_face

  5. fluid_face

  6. minute_repeater_face(改変)

  7. set_timelocation_face(改変)

操作方法等の情報を掲載しています。ブラウザ上で動かせるエミュレータも置いてあります。

ファームウエアを作る手順はこちらにまとめました。